
【市岡の眼】キオクシアの「最高益」に騙されるな?市場が警告する半導体の裏側と、今狙うべき4大セクター
こんにちは。レガロス株式会社の市岡です。
先日、半導体大手キオクシアの7〜9月期決算が発表され、純利益が前年同期比のなんと31倍、1兆2700億円に達したというニュースが飛び込んできました。あわせて自社株買いや株式分割も発表され、文字通り「お祭り騒ぎ」のような数字が並んでいます。
華やかな数字の裏にある「厳しい現実」
これだけの数字を見れば「すごい!今すぐ買うべきだ」と思ってしまうかもしれません。しかし、相場の世界はそこまで甘くはありません。
実は、私が以前からこの銘柄に対して警告を出していたのをご存知でしょうか。残念なことに、株価は私が警鐘を鳴らしていた時点から3分の1にまで大暴落しています。「業績が良いのになぜ?」と思われるかもしれませんが、ここに株式市場のプロたちの「本音」が隠されているのです。
注目すべきは、現在の指標です。
- 予想PER(株価収益率):4〜5倍
- PBR(株価純資産倍率):10倍
利益に対して株価が何倍かを示すPERが「4〜5倍」というのは、圧倒的な低水準です。これは裏を返せば、「市場はキオクシアの長期的な成長性を全く期待していない」という強い警戒感の表れにほかなりません。その一方で、企業の純資産に対して株価が何倍かを示すPBRは「10倍」と、かなりの割高水準になっています。この歪みこそが、現在の半導体リスクを物語っています。
迫り来る「AI過剰供給」と「円高」のダブルパンチ
なぜ市場はここまで冷ややかなのでしょうか。理由は大きく2つあります。
① 中国発のメモリー過剰供給とAI値下げ合戦
現在、中国を中心にメモリー半導体の過剰供給懸念が急速に高まっています。私の私見では、これからさらに多くのAI技術やサービスが登場することで、かえって激しい過剰供給が起こり、最終的には泥沼の値下げ合戦に突入するとみています。
② 日本政府の動向と為替リスク(円高への警戒)
もう一つの盲点が「為替」です。現在の政府は支持率の低下に苦しんでおり、局面打開のために為替介入を行って「円高」へと誘導する可能性が十分にあります。もし円高が進めば、輸出がメインであるAI半導体(フィジカル)の売上や利益率は一気に押し下げられてしまうでしょう。
資金はどこへ向かうのか?今こそ注目すべき4大セクター
派手なハイテク株が逆風に晒される中、賢い投資家たちの資金はすでに次の場所へと動き始めています。それこそが、私が以前からずっとおすすめしている「地味だけど手堅い」以下の4つのセクターです。
- 鉄鋼:インフラ再整備や底堅い実需に支えられたバリュー株の代表格。
- 陸運:国内の物流や人流の回復が追い風となる内需の柱。
- 食料品:景気の良し悪しに関わらず、人間が生きていく上で不可欠なディフェンシブセクター。
- 小売:インバウンドや価格転嫁が進み、底堅い業績を維持する生活密着型。
華やかな半導体ブームが落ち着きを見せる今、市場の資金はこうした「実体経済に根ざしたセクター」へと確実にシフトしてくると私は睨んでいます。
ブームの熱狂に惑わされず、数字の裏にある本質を見極めること。これこそが、相場で生き残るために最も大切な姿勢です。皆さんもぜひ、一歩引いた視点で冷静に市場を観察してみてくださいね。
本コラムは市場動向に関する私見を述べたものであり、特定の銘柄の推奨や投資勧誘を目的としたものではありません。投資に関する最終的な決定は、ご自身の判断と責任において行っていただきますようお願い申し上げます。
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